最近ではおなじみの『気』と言う概念を中心に繰り広げていき、つぼの組み合わせを使って治療していく医学が東洋医学です。
さてその『気』とは…
昔から『気』のつく言葉は、‘なんだか知れないけど,見えないんだけ
ど,在るもの(例えば元気・勇気・電気・空気など・・)によくつけられています。正確ではないかもし
れませんが、‘エネルギー’と置き換えるとわかりやすいと思
います。風水でいうと,‘場のエネルギー’ですし,東洋医学でいうと,体を運営していくのに必要な‘生命エネルギー’と言ってもよいと思います。そのエネルギーの流れる筋を経絡と言い,経絡上に現れる反応点を経穴〈ツ
ボ〉といいます。又体には血(けつ)と呼ばれる、今で言う血液が流れています。病気とはこの生命体エネルギーつまり『気』や『血』の偏り・過不足・停滞によって起こると考えています。
《原因》
《内
因・外因・不内外因》
『気』の偏り、過不足、停滞を起こす原因のことを言います。
〈外因〉風邪(ふうじゃ)・寒邪・暑
邪・湿邪・燥邪・火邪
人の抵抗力が低下した時、病気の原因となります。冬の寒さが厳
しすぎたり、暑い夏が
涼しすぎると【寒邪】となり、たまたま抵抗力が落ちた人に入り込み
発病させてしまい。
往々にして季節との関わりが深く、春は「風病」・夏は「暑病」・長 夏(梅雨時)は[湿病」
秋は「燥病」・冬は「寒病」になりやすい。なりやすいと言うだけ
で,あなたがそうなる
とは限りません。
〈内因〉七情といって、喜・怒・憂・
思・悲・恐・驚があり、これらの精神的な刺激を過度に
受ける
刺激として、
例えば配偶者や我が子の死、長期的刺激としては,例えば他人の言 うことを気にしすぎる
(つまり思や憂の状態)反対に、人の悪口を言いつづける(つまり怒の 状態が続く)などです
仕事の目に見えないじわじわ来ているストレスも長期的刺激といえ ます。
≪四診≫
さて,前記した病気の原因をさぐったり、治療方針を決めるのにもっと
も大切なのが診察の方法です。東洋医学ではこれを四診といいます。
望診:ドアを空けた瞬間からそれは始まります。入ってきた姿勢,顔の表
情や色、舌の状態・
爪の状態・その他目・鼻・口などの状態をみます。
聞診:声の調子・呼吸の状態・げっぷ・せきが出ていないか・体の臭いな
どの状態をみます。
問診:病気に関連した事はもちろん,日常生活のこと・病気になる前のこ
と・体質的な事や季節
との関連、仕事・趣味・嗜好なども尋ねます。こんな事病気と関係あるのかしら…と思うよ
うな事柄の中に治療のヒントが隠されています。
切診:脈診・触診があります。
脈診は,速さ・硬さ・浮・沈・などの脈状で病の状態をみます。
触診は、腹部・項背部を見て,触って、どの辺りに病があるかを見
ます。
≪
治療≫
四診で割り出された原因・病状によって、今の状態を改善していくツボ
を選び、鍼または灸
または鍼・灸を併用して、刺激量を加減しながら施術します。西洋医学で
言うとツボは薬で,
刺激量
医学もとても大切なんですよ。過ぎても足りなさ過ぎても効果は出にくい。
ほとんど無痛です。1本うたれるまでは怖い気持ちがあるでしょう
が,その後は大丈夫。
今まで来院した患者さんのうち当院長の鍼を痛い!(と言いながらも通って頂いています)と
おっしゃる方は1人だけ。他の方には『先生の鍼痛くないわ』とか『打っているか打っていない
かわから ないわ』と言ってもらっています。
〈お灸って熱い?〉
お灸には色々種類があり,温灸(隔 物灸・棒灸:皮膚に直接置かないお灸)は、ほわっと温かく
直灸(皮膚に直接置くお灸)は、大きさがお米の半分や糸状にしたもぐさ
を使いますので、一瞬
ちくっとしますが、温灸も直灸も気持ちいいところで取りますし,つぼ刺 激なので良く効きます
〈鍼やお灸って癖になるのでは?〉
鍼やお灸は体を治していくものです。治っていけば自然に治療回数は減っ
てきます。
後は予防的に利用すればいいのです。癖になるという事はありません。
『病気になって医者に行くのは,のどが乾いてから井戸を掘るようなもの
だ。
戦いが始まってから武器を作るようなものだ』と東洋医学では言っていま
す。それだけ養生を大
切なものだと考えています。
病気の予防をしましょうという事ではありません。病気の予防というだ
けでは,悪いところ
ばかり
を探してしまい,いわゆるマイナス思考になってしまいます。養生というのは予防もさ
ることながら,私達の人生をより充実したものにするための,行為や
心がけです。
つまり@感情の安定 A自然との調和 B体力の安定を心がけ,行動して行くのです。
人間も自然の一部です。季節によって順応していかなくてはいけません。
【春の養生】
春は「発生」の季節、冬に潜伏させていた気を発散し,天地間の万物は
いきいきとし,発生する。
そんな春の養生として…
遅寝をしても良いが朝は早めに起きる。春に陽気を胸いっぱいにし楽し
む。散歩なども良いです。
髪をしばらずゆったりとし、体をのびのび動かす。そして心の中の意欲を
起こし,育てる。
さあやるぞーーーという気持ちを抑えこまない。(素問)
これを怠ると,夏に寒性の病になりやすい。クーラー病など・・
【夏の養生】
夏は生長の季節。天地間に陰陽の両気が盛んに交流し,万物がどんどん
成長し花咲かせ実らせる。
そんな夏の養生法は…
夜は遅く寝て朝は早く起きる。日の長さや暑さをいやがらず、「あー暑
い」ではなく「あー暖かい」
という気持ちで過ごすべきである。(そんな気持ちになれません!と言わず三日坊主でもよいから
心がけてくださいね〉
怒気を含まないよういつも愉快さを保つ。つまり植物が開花するごと
く、人体も内の陽気を
ほどよく放散し,外界に目を向けて行動するようにしなければならない。(素問)
これにそむくと,おこり(一
定の時間を置いて高熱を発する病気)になる。
【秋の養生】
秋は収斂の季節。万物が成熟して収穫される。
そんな秋の養生法は・・・
鶏と同じように、早寝早起きをするべきである。心を安らかにし、陽気ををひそめて、天地の粛殺とした
気の影響を和らげる。つまり急がず、騒がず、忙しすぎず、穏やかに・・・というところでしょう。
これに背くと、冬には下痢がちになる。(素問)
、
【冬の養生】
冬は閉蔵の季節。万物の生機が閉じこもる。天の陽気は万物から遠ざかる。
そんな冬の養生法は・・・
必ず早く寝、朝はゆっくりと起き、日の出日没に伴って起居すべきである。
欲望・意思は潜めながら、すでに遂げたような満足感を保つ。
体内の陽気を洩らさないように、寒い刺激を避け、体を暖かく包む。
これに背くと、翌春に足がしびれ、腰が曲がる病気になる。
とあります。
季節ごとの養生の行為・心がけは以上です。しかしながらすでに何らかの
病にかかっていたり、
病とまではいかないが少し変、以前と違うなどを感じている方は是非東洋
医学の門戸をたたい
てくだ
さい。
東洋医学には【未病を治す】と言う言葉があります。いまだ病になってい
ない病を未病と言い,
何らかの信号が出ているはずです。なんか変とか以前と違う状態を治して いくことで、他の養生
もできていきます。生活習慣も変わってくるでしょうし,食生活も良い方
へと変わっていくか
もしれ
ません。それに伴い本格的な病気から遠ざかり、いきいきと過ごしていけるのです。
「鍼をしてから風邪をひかなくなった」とか、「花粉症がまし」などの声
を良く耳にします。